2007年02月14日

別冊「aada」2007.2.14

2月14日ですね。

♪このハードル越えたらバレンタイン

ですよ。
#丹下桜「あなたのやり方でだきしめて」より抜粋.

というわけで、1998年の2月14日は確実に聞いていたであろう
このナンバーにのせて今夜もお送りします。

別冊「aada」1998-2007
#2007年3月で限定ページは終了しました.
#あらためてこちらで再掲載していきます.

今日はタイトルの話をちょこっと。
『告白前』というタイトルですが、実は三代目なんですね。
ストーリーはまったく同じなのですが、手を加えるたびに
タイトルを変えてました。

初めて書き上げて、友達にお披露目した時の
オリジナルタイトルはこちらでした。
『悲しみは雪のように』

安易でしょ。
エンディングでこの曲が流れるという設定でした。

時は流れて2002年、次にお披露目しようと
考えたのがこちら。
Liner note acoustic theater
迎春 公演
『 sakura maenomerry 』

劇団?
ちなみに『桜マエノメリ』と読みます。
ただ、これではちょっと突拍子もないなと思いまして、
お披露目直前になって付けたのが『告白前』でした。
突き抜けてますでしょ。恥ずかしさに。
何ごとも中途半端はいけないなと思ってます。

それでは、お待たせしました。
先週(2.7)に引き続き、本日は第二話をお送りします。



『告白前』 / 同日 午後

 筆記試験を終えた教室。窓側の一番後ろの席に彼女達はいた。すきとおる青空に白い雲がプカプカ浮かんでいる。遠くの海を隠すように立ちはだかる少しいじわるな丘。そこには一本のクスノキが立っていた。自然と眺めてしまう不思議な木である。

 春菜も人のことを心配している余裕はあまり無いのだが。

 やっぱり今朝から渚の様子がおかしい。相当ショックだったみたい。気持ちはわかるけど、今はそれどころじゃないこともわかって。でも、彼も相手が悪かったわよね。渚も彼が犯人だって、信じこんじゃってるし。
「渚、あの和訳問題どうだった?」
「… あぁ。うん。たぶん大丈夫だと思うけど…」
「…もう、今朝のことは忘れたほうがいいよ。次、面接だし。そんな顔してちゃ、ねっ」
「うん。わかった。ありがとね、春菜」

 教室からは生徒がどんどん抜けていく。私達の前の人まで呼ばれた。ポツンと残された感じ。
「次だよ、渚」
「うん」
 もうここまで来たらやるっきゃない。
「じゃあ、渚。手、かして」
「え? あ、はい」
「なぎさーファイおーファイおーファイおー!
よし。もう大丈夫」
「うん、じゃあ私も。はるなーファイおーファイおファイおー!」
「おー!」
「よっしゃっ!」
 私達は丘の上の木に向かって我が母校、相模二中の校歌を高らかに合唱した。
「おーい。そこの相模二中の二人―」
 聞かれた。はすかしぃ。
 そそくさと廊下に出る。この高校の生徒かな。腕に赤い腕章を巻いた係員のお姉さん。ちょっとキョンキョンに似てる。面接会場に着くまでの間、私達はお姉さんの背中だけを見つめて歩いた。くーキンチョーしてきたー。

 面接会場になっている教室の前に到着。廊下に用意されていた椅子にドスン。ひとつひとつの動作が、なんかロボットみたい。
「大丈夫。きっと受かるわよ」
 私達の横に座ってくれたお姉さんが小声で励ましてくれた。
「はい!」
 笑った顔がますますキョンキョン。う〜ん、やっぱりこの学校に入りたい!
 今の組が終わったら次は私達の番か…。あー。そうだ終わってからのこと考えよ。えーっと。藤沢でクレープ食べるでしょー、町田の丸井で服見てー、いろいろ見てー。映画、今どんなのやってたっけ。ぴあ買わなきゃ。あマンガだ、マンガ。死ぬほど読んでやる。くー、たまんねぇ。
「あっ!アイツ!」
 突然、渚が叫んだ。
「シッ!」
 キョンキョンが口に人差し指をピッと尖らせる。思わず私は渚を抱き寄せていた。にょろりと出た渚の指先を恐る恐るたどってみる。
「あ」
 やっぱり。今朝のアンラッキーボーイ。彼もココ受けてたんだ。渚は私にしか聞こえない声でつぶやいた。
「アイツ、筆記試験の時も隣の教室にいたんだ。くっそおぉ」
「渚、顔。こわいよ」
 でもなんか回復したみたい。良かった、のかな。

 教室から係のお兄さんが出てきた。
「それじゃあ次、あなたから、その男子までの五人の方、お入り下さい」
 立ち上がる私達。と、彼。
「えー!」
 っていうかやっぱり。
「がんばってね」
 キョンキョンのお姉さん、気持ちは嬉しいです。…けど、今はそっとしておいてください。渚…、目が怖いよ。彼はもう死に掛けのモルモットみたい。とにかく今は、目の前の面接に集中、集中よ。わかってる、あなた達。…分かってないみたい。

 私達は中学校で教えられた通りのやり方で面接室に入っていく。




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ラベル:告白前
posted by ozy- at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ああだこうだ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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