2005年08月13日

リンダ リンダ

#これまでのあらすじ
「青春の味「スガキヤラーメン」を求め、高田馬場駅に降り立つozy」

高田馬場駅から、商店街(早稲田通り)を東へと歩いていく。
天気予報によると今日の最高気温は31℃。
曇ってはいるが、湿気が身体にまとわりつく。
駅からだいぶ歩いた気がするが、スガキヤのある
大通り(明治通り)との交差点がまったく見えない。
何だろう。頭の中にユニーの店内が浮かんできた。

店に入ると中央にはエスカレーター。
上っていくと、2階にはカードダスコーナーがあった。
小学生の僕らは20円を機械に入れ、横のダイアルを
ガチャガチャ回す。出てくるカードに一喜一憂だ。
週に一度、エスカレーターを最上階まであがる。
そこはイスとテーブルが置かれた開放的なスペース。
奥には“スガキヤラーメン”の文字。店の横には大きな
ソフトクリームの置物が光り輝いていた。
スガキヤラーメン、それは僕らにとって
「リッチな気分にうっとり酔いしれる」味だった。

大通りらしきものが見えてきた。
信号機周辺のビル看板を視力検査のようにひとつひとつ凝視する。
“ーメン”
心拍数があがった。歩調が軽くなる。
“ラーメン”
最後は走っていた。
“スガキヤラーメン”
ここか。私はたどり着いたのか。
ほっぺたをつねることも忘れ、スガキヤラーメン改め
青春の門をくぐり、食券販売機の前に立つ。
「スガキヤラーメン」
ドキドキしながらも強く押す。
半熟玉子も付けた。勢いでギョーザも買った。
食券を持ち、カウンターに座る。
冷たい水をガブっと飲んだ。
身体も心も一気にクールダウン。
予想以上に冷たい。
今の私にはジャストクールだ。
ラーメンを待っているこの時間。この気持ち。
小学生の私と28歳の私が頭の中でじっと待つ。

出てきた。白いスープ。これだ!
ちょっと待った。もしや。
このスープにすっと入り込んでいる銀色の杖は…、
ゆっくりとすくい上げる。
銀色のスプーン。しかもスプーンの先端に
麺が数本からまっているではないか!
伝説の先割れスプーン。
生きてる間にお前とまた出会えるとは。
スプーンの先端に麺がからまったまま、口に近づけていく。
アツっ。急いで冷たい水をグビグビグビ。
さすがは銀色スプーン。熱伝導率は破壊的だ。
忘れていた。すっかり忘れていた。
だが、このすっかり感がたまらなく愛おしい。
今度は息をフーフー吹き付けた後、ゆっくりとスープを近づける。
これこれー!
懐かしさと驚きと喜び。
愛・地球博を一瞬にして体験したような気分だ。
やったよ、ユウジ。俺は今、白いラーメン食べてるよ。
そして津波のように襲いかかる哀愁。
今、私の背中にはきっと哀愁がにじみ出ていることだろう。
ふと見上げると、カウンターテーブルにちょこんと乗っかった
三角コーナー。
“ソフトクリーム180円 持ち帰りOK”
哀愁にアイス。
…そうか。今の私の頭はきっと溶けているんだ。
気づけばラーメンも餃子もすっかりなくなっていた。
席を立つ私に「ありがとうございました」とさわやかな店員達。
悪いが、まだまだ帰らないぜ。
“ソフトクリーム”と書かれた食券を店員に「お持ち帰りで」と手渡す。
店員が心なし笑ったような気がした。
思わずこちらも笑い返したぜ。

青春の門を後にして、高田馬場駅までの長い帰路に立つ。
東京の湿度が身体に再び抱きついてくる。
さっきまでの私と同じだと思うなよ。
信号機の前で、ソフトクリームをひと口。これこれー。
帰り道はあっという間だった。途中、小学生3人組から
うらやましそうに見つめられた。軽い優越感である。
「よく見ろ小学生。これが大人だ」
『亡国のイージス』(8.7)より抜粋だ。
ソフトクリームの上部がなる後半戦、ソフトクリームの上から
舌でコーンの中に落とし込む、いわゆる
「最後までソフトクリームがぎっしり」作戦を決行。
子供の頃の癖というのは恐ろしい。
高田馬場駅が見えてきた頃、コーンを包む紙の先端が
何やらしめっていた。
まさか。コーンと紙をゆっくり分離させていく。
コーンの根本から白い雫がポタポタ。これこれー。

やばい。そろそろ上映の時間だ。
ではまた後ほど。

続く
#と、書かれたメモ帳を今必死で写しています
#(記帳場所:ワーナーマイカルシネマズ板橋)

posted by ozy- at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ああだこうだ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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