2016年02月25日

飛び散る埃を左手の指でつかまえた音

音(平澤宏々路)
「お母さーん。こいって何?」
母(満島ひかり)
「池におるでしょう。赤と白の」

「魚とちゃう」

この歳にして、その的確なツッコミ。
末恐ろしいです。

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』 第6話


「リョウ君が音にしてるやつ」

「あぁ。そっちの恋か」

たぶん、魚の鯉(コイ)のことを聞かれたのだと
本気で思ったのでしょう。
音の母はそういう人です。私の中では。


「せやなぁ。お母さんが思うのはなぁ、
 帰るとこ」

「帰るとこ?」

「うん。
 …お家もなくなって、お仕事もなくなって、
 どっこも行くとこ なくなった人の、
 帰るとこ」

2011年から坂元裕二さん脚本のドラマを見てきました。
彼が誰に向けて作品を送り続けているのか。
その思いに触れるたびに、心がふるえます。


「わからへんか?」

「うん」

「大丈夫。いつかわかる。
 お母さん、音にも わかってほしいわぁ」

1月、2月、そして3月という特別な3か月間。
僕らを引き込んで引き込んで、


「お母さん、見て」

「何?」

「犬のウンコ発見」

「あー! 埋めて 埋めて」

時に僕らを突き放す。
見終わった後の一週間をモンモンと過ごし、
次の月曜夜9時が楽しみでもあり、怖くもある。
このドラマを見ている時間は僕らにとっても、
帰るとこ なんです。


ここに刻んでおきたいと思い、母と音の会話は
ほぼノーカットでお送りしました。
#『ド根性カエル』日記より抜粋('15.7.12)