2016年02月29日

畑の中で純米カップ酒を開ける音

森永「ガトーショコラ」をほおばりながら見ていた。
ひとかけら、口からこぼれた感覚をおぼえる。
辺りを見渡しても、チョコのかけらは見当たらない。
あきらめて立ち上がってみると、かけらは
すんなり見つかった。
つぶれてはいなかった。

ひとつの方向からは見えないものがある。
視点を変えてみると、案外近くにあったりする。
そんな夜だった。

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』 第7話

何週間ぶりでしょうか。
手嶌葵「明日への手紙」を聴きながら
気持ち良いくらい泣いたのは。

前回(2.25)と同じように、静恵(八千草薫)さんの言葉を
ノーカットでお送りしたい気分でいっぱいですが、
物語に関わり過ぎてしまうので控えます。

2011年夏に放送されたドラマ『それでも、生きてゆく』で作品として
伝えてきた思いが、5年が経った今
とてもわかりやすいカタチで
受けとることができました。

感謝の気持ちとあわせて、
これだけは私も言わせてください。

「おかえり」


2016年02月25日

飛び散る埃を左手の指でつかまえた音

音(平澤宏々路)
「お母さーん。こいって何?」
母(満島ひかり)
「池におるでしょう。赤と白の」

「魚とちゃう」

この歳にして、その的確なツッコミ。
末恐ろしいです。

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』 第6話


「リョウ君が音にしてるやつ」

「あぁ。そっちの恋か」

たぶん、魚の鯉(コイ)のことを聞かれたのだと
本気で思ったのでしょう。
音の母はそういう人です。私の中では。


「せやなぁ。お母さんが思うのはなぁ、
 帰るとこ」

「帰るとこ?」

「うん。
 …お家もなくなって、お仕事もなくなって、
 どっこも行くとこ なくなった人の、
 帰るとこ」

2011年から坂元裕二さん脚本のドラマを見てきました。
彼が誰に向けて作品を送り続けているのか。
その思いに触れるたびに、心がふるえます。


「わからへんか?」

「うん」

「大丈夫。いつかわかる。
 お母さん、音にも わかってほしいわぁ」

1月、2月、そして3月という特別な3か月間。
僕らを引き込んで引き込んで、


「お母さん、見て」

「何?」

「犬のウンコ発見」

「あー! 埋めて 埋めて」

時に僕らを突き放す。
見終わった後の一週間をモンモンと過ごし、
次の月曜夜9時が楽しみでもあり、怖くもある。
このドラマを見ている時間は僕らにとっても、
帰るとこ なんです。


ここに刻んでおきたいと思い、母と音の会話は
ほぼノーカットでお送りしました。
#『ド根性カエル』日記より抜粋('15.7.12)


2016年02月15日

猪苗代の湖畔でほうばるアメちゃんの音

井吹 朝陽(西島隆弘)
「好きな人のことを想いながら見る星は 綺麗でしょ?」
杉原 音(有村架純)
「…そうですね」

井吹さんはこういうことをサラっと言えるんですよね。

井吹
「片思いだと、なおのこと」

「…そうですね」

返事がテレフォンショッキング寄りになってますよ。

ひとりごとですけど。

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』 第5話

曽田 練(高良健吾)
「何もできてないです」

「少なくとも私は、引っ越し屋さんに助けてもらいました。
 …何もってこと ないと思います」

よく言った。
言うべきことは伝える。
自分が信じている気持ちははっきり言える人なんですよね。
だから、一番伝えたい思いを伝えられないこの状況は、
本当につらいでしょうね。


「そういうことを、私はもう表に出すことはしないですけど。
 奥のほうに、棚の一番奥の方に大事にしまってあるんで」

「それは俺も、しまってます。一番奥に、大事に。
 それぞれが別々に、1個づつ持っているんだと思います」

この確認ができただけで、これから先も生きていけるんです。
二人の間では。


市村 小夏(森川葵)
「好きなんだったら、好きですって言ったら?
 練、好きよ。練、好きよって」

ここにもひとり、
誰よりも長い間、ずっとずっと
練のことが好きな気持ちがありました。
好きよって、伝えても伝えても、
届かない気持ちを抱えたまま、
ずっと近くで見てきた
もうひとつの恋でした。


練の玄関先にあったノート
" 今まで ありがとう
  お元気で "

いつか、ではなく
もうこの瞬間、私は泣いてました。