あんな顔では外を出歩けませんから。
でも、拭っても拭っても福山雅治「東京にもあったんだ」が
頬を乾かしてはくれませんでした。

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
劇中で、再会や別れのシーンになると流れてくる
メインテーマがあるんです。
この音楽が街中で流れてきたら、たぶん歩きながら
泣き出してしまうと思います。
朝一番の上映時間の回に観たからでしょうか。
劇場内の年齢層が結構高めでした。
前回の『バッテリー』の時とは対照的でしたね(3.11)
バッテリーは子供たちが多く、私は先輩として
涙が出そうになってもグッとこらえていましたが、
今回は胸を借りるつもりでどっぷり浸らせて頂きました。
映画『東京タワー』ナビゲートDVDでボク役を演じた
オダギリジョーさんは語っています。
この作品の出演を最初断っていたそうです。
母ひとり子ひとりという物語が、実生活と被ってしまうと、
恐いと思ったんだそうです。
映画出演のオファーが来ていることを母親に話した時、
お母さんは小説本をすでに持っていて読んでいました。
『東京タワー』がこれだけベストセラーになったことが、
映画の運命の分かれ道になったのかもしれませんね。
ある日、お母さんは息子にひと言。
ボク役をやってほしいと、言ったそうです。
私は泣いていました。
映画を観る前に、もう泣いていたんですね。
オダギリジョーさんの東京タワーを観たようで。
これが私と映画『東京タワー』との出会いでした。
そして、オダギリさんが話をしている時にBGMで流れていたのが、
あのメインテーマでした。