2006年07月15日

虹のかけら

#熱中症患者が力の限りつづった日記,と思って頂けると幸いです.





映画『日本沈没』を観終わって、劇場を出ると雨が降っていた。


自転車に乗ろうとした頃、交通整理をしていたお兄さんの図太い声がした。


「あれあれ」


振り返ると、灰色の空いっぱいに七色の光線が広がっていた。


端から端まで完璧に半円を描いた虹を、僕は初めて見た。


虹の端はいったいどうなっているのだろう。


虹の端。それは虹のはじまる所ってことか。


走っていた。


昨日、『ハチミツとクローバー』最新巻を読んだからだろうか。


青春スーツが雨に濡れて喜んでいる。


雨に打たれるのはこんなに気持ちの良いのか。


近づいていく。


虹が地上から生まれる場所へ。


そこへ行けば、何か願いごとが叶いそうな気がした。


どうか、あの人の夢が叶いますように。


少しずつ、虹が消えかけていた。


反対側の端は、まだ七色を数えられるくらい光っているのに。


ふと思った。


近づけば近づくほど虹は見えなくなっていくのかもしれない。


そういうことか。


近くにいればいるほど見えなくなるものがあるように、


あたりまえだと思っていたことも、離れた時にはじめて


わかる美しさがある。


目の前にあること、身近にいる人に


感謝する気持ちを忘れてはならないのだと、


思った頃に雨はあがっていた。






posted by ozy- at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ああだこうだ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする