2006年05月27日

薄れゆく記憶の中で

#映画を観終わった直後に書いたメモ帳からそのまま写してお送りします.





「これはあれだ。人生はやりなおせるということなんだろうな」


「おじぃさんは、相変わらず前向きですね」


「そうかなぁ。いや、そうなんだよ。おし」


「どうしましたか」


「わしも負けんぞ。の、おしだよ」


「あらあら。この人はすぐ感化されるんですから」


「…まぁな」


「今度は急にしんみりして」


「いい映画を観るとこう、ぼぉっとしないか」


「しますね。ぼおっと」


「何かこう、ずしんではないんだけど。すーっと」


「すーっとですか」


「そう、すーっと入り込んでいる感じがして。何かその空気というか、


 世界にすーっと包まれているような」


「私の名前、わかります?」


「えーっと、うーん。何だったかな」


「ほら、あなたの愛しい愛しい」


「おてもやん」


「帰ります」


「すまん。これは病気のせいで」


「もう。しょうがない人ね」


「すまんすまん」


「あなたはそうやって、すぐ世界に入り込むのね」


「また単純だとか思っとるんだろ」


「違いますよ。純粋な人だなぁと思ってますよ。ほらハンカチ」


「なんだハンカチって」


「ほら、ここの所」


「やめんか」


「目が真っ赤。はい」


「あぁ、すまん」


「まったく。すぐ泣くんですから」


「泣いてないって」


「エンドロールでずっと涙ぬぐってるじゃないですか」


「そんなことしてないよ」


「はいはい」


「はいはいはないだろ。はいはいは」


「それにしても。いいオーボエでしたね」


「ああ。いいオーボエだった」





書いているうちに感動が徐々に薄れていくようでした。








明日の記憶


明日の記憶





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