2006年04月01日

太陽を追いかけて

#今夜はメモ帳に書いたことをそのまま写してお送りします.





夜勤明けである。納期資料を寝ずに仕上げた。


そのまま新幹線に飛び乗り、たどり着いたは新大阪。


初めての大阪。初めまして関西。


興奮するなという方が無理である。





ひと仕事を終えた。時間は昼。


このまま帰るわけがないのである。





今、私にはひとつ浮かんでいる。


太陽。


白夜行』で亮司(山田孝之)と雪穂(綾瀬はるか)が追い求めていた太陽。


その象徴。そびえ立つ太陽。


あれはそう、万博公園。





〜「僕らの音楽」放送100回記念ライブメモ帳スペシャル 〜





マイピッチ(WX310SA)で大阪駅から行く方法を調べた。


大阪・梅田駅から阪急京都本線に乗る。急行で3つ目の南茨木に行き、


そこから大阪モノレールに乗れば万博記念公園だ。


50分後には万博。私の万博が今始まるのだ。





降りる駅を間違えた。


南茨木のひとつ手前、淡路駅で降りてしまった。


待て待て、まぁ落ち着け。


次に来る電車に乗ればいい話ではないか。


大丈夫。私の太陽はきっと待っている。





今の仕事に就いてから出張に行くようになったが、


やはりその土地ならではのものに目がいく。


電車の広告、街の看板。初めて見るものばかりだ。


嬉しくなる。


そして、やはり言葉。車内や街中で聞こえる言葉の文化。


ずっとずっと聞いていたい。





「次は北千里駅。北千里駅、終点でございます」





完全に乗る路線を間違えた。


こんなメモを電車に乗りながら書いているからなのか。


終点の北千里駅に降りて、路線図を確認する。


山田駅からモノレールに乗り換えられることを知る。


ここからひと駅戻るだけではないか。


やったぜ山田。山田…。山田?


太陽を追い求めたあの亮ちゃんこと山田孝之君も山田。


これは偶然だろうか。





山田駅で降りた。確かにモノレールの駅がある。


今度はしっかり乗る前にモノレールの路線図をチェックだ。


“万博記念公園駅”


山田駅の隣だった。


なんだこれは。私は導かれているのか。


太陽を追い求めた亮ちゃんに、太陽の神


アポロンにいざなわれているのか。


「こっち来いや」


それは笹垣(武田鉄矢)さん最終回のセリフだ。


確実にうかれている。





モノレールの運賃に目をやる。


“大人200円/一駅”


歩こう。


突然、歩きたくなった。


もちろん健康のためである。


それ以外の理由は何ひとつないのだ。


山田駅周辺地図を見ると万博公園が載っていた。


公園入り口までここから約1キロか。


天気は晴れ。風が心地良い。


そして昨日からほとんど寝ていない。


健康のためである。





歩き始めている。そして書いている。


歩きながら書いている。


モノレールのレールの下を。男一匹。


メモを書きながら歩いている。


なかなかお目に掛かれない光景かもしれない。


もしかしたらモノレールの窓から写メールで


撮られている可能性もある。


私は万博の新しいアトラクションではない。


ただ考え方を変えれば、もうこれは私自身


すでに万博と一体化しつつあるということか。


なにせ今の私には太陽神アポロンがついてる。





そうこうしているうちに、見たことのある


塔の頭が見えてきた。なんだあれは。


あんなにでかいのか。あれはあれか。


鎌倉の大船観音寺か。


近づくにつれ、その大きさがじりじり伝わってくる。





万博公園に入った。いきなりドンとそれは登場した。


ど真ん中だ。一瞬のブレもなくそれはそびえ立っていた。天高く。





塔の斜め左のベンチに座らせてもらった。


塔上部の金ピカの顔から何か出ている。あれはあれか。


ドカベンの岩鬼がくわえているハッパか。


この塔とドカベンの岩鬼はどちらが早いのだろう。


あぁ、飛んでほしい。宇宙の彼方まで飛び立ってほしい。


そして宇宙のどこかにいるであろう未確認生物に見つけてほしい。


その時、未確認生物達はこの塔が空から飛んできて、一体


どう思うのだろうか。私は期待する。


「何だかわからないけど、バクハツしてるな」


「ああ、バクハツしてる」


そんな未確認生物達の会話がこのすみわたる青空の彼方から


聞こえてくる。


そろそろ私はダメなのかもしれない。





〜 &「僕らのドラマ」そろそろ1周年記念旅行 〜





帰りのモノレールに乗っている。


右の景色も左の景色も両側見たいので、空いている車両に


ひとり立っている。そしてメモしている。モノレールメモだ。





初めて載る電車。初めて見る景色。


車窓を眺めていると、あたりまえだがそこには人が住んでいる。


生活している。出会ったことのない人達がそこで暮らしている。


車窓は次々と移り変わる。まるで出会いと別れを繰り返しているように。


そういえば今日は3月31日。日本で最も別れの多い日ではないか。


あの学校やあの会社の中で、今この瞬間、別れの挨拶をしている


かもしれない。涙を流している人がいるかもしれない。この瞬間。





車窓から目にしているこの場所は、私にとってはほんの一瞬で


過ぎ去っていく景色かもしれないが、そのひとつひとつは


まぎれもなく誰かの生まれ育った場所であり、帰ってくる


土地であり懐かしいふるさとの風景なのだ。少しだけ、


こみあげてくる感情が生まれた。





別れの多い日ということは、明日が一番出会いの多いでもあるのだ。


今あるさびしい想い、不安な気持ちは新しい出会いによって少しづつ


雪解けていくだろう。やがてはその出会いがまたかけがえのない


ものになるだろう。こうして春は始まっていくのか。





ここにも、こうして初めて来て下さった方がいる。


そして、この長い長いメモ書きを最後まで読んで下さったあなたに、


感謝しています。あなたがいるから、ここにこうして私はいられます。





できるところから一歩づつ積み重ねていきましょう。お互い。





                  2006年3月31日


                       ozy