2005年06月10日

さくらにさそわれ

#本の帯に添えられた担当編集者のコメントより.
最終章。
ぜひ、耳を澄ませて読んでみてください。きっとあなたの耳に、
ある美しいひとつの曲が、強く、やさしく立ち上がってくるはずです。

くやしいよ。
読み終わった後、まんまとCD棚をこねくり回して探したよ。
見つからなかったよ。どこ行ったんだよ。カーペンターズ。
聞きたいよ。今すぐ聞きたいよ。カーペンターズ。


最終章。疾走感あったよ。
父さんが初めて運転する軽自動車をぶっ飛ばす瞬間、あやうく
大西さんの家の壁にぶつかりそうになったのには笑ったよ。
いきなり大西さんが出てきたセンスに笑ったよ。
深刻な状態だからこそ、笑いは大事だよ。
♪ダメになりそうな時それが一番大事
大事マンも歌ってるよ。


『さくら』著者: 西 加奈子


私はどうも好きな世界、作品の世界に入り込みたいと思うフシがある。
少しでも近づきたいのか。触れていたいのか。
カーペンターズを探し回ったのは、たぶんその延長上だったと思う。
同じ歌を聴きたかった。
自分もこの家族の一員になりたかったんだと思う。
長谷川家が過ごしただろう時間。
兄ちゃんの部屋で兄妹三人で聞いていた、
母さんが部屋の外で聞いていて、その母さんが歌ういいかげんな英語を
ほほえみながら父さんが聞いていた時間。
長谷川家に流れていた穏やかな時間を自分も一緒に過ごしたかった。


「年越しそばって、何時に食べんのが正式?」
トーストを頬張りながら言ったミキのそれと同じニュアンスで
「『さくら』って、どう読むのが正式?」
と聞かれたら、私はこう答えたい。
「ひと通り読んだら、また最初から読んでみい」

「はじまりの章」には現在の長谷川家が描かれている。
あたりまえのような日常が、実はとても幸せなんじゃないかと感じてくる。
そして、ちょこっと出てくる大西さんに少し嬉しくなる。

アタリなのかハズレなのかよくわらないミキが作った
M&M'sチョコレート入りの餃子を一緒に作りたいと思った。
「醤油でチョコレート食うたの初めてや」
などと言って、ミキの笑顔を見たいと思った。

最後まで読んだけど、私はミキに恋してたな。たぶん。
くやしいけど。


#続く(6.15)

posted by ozy- at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ああだこうだ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする